【雑誌への寄稿】ニュー・ローカルと21世紀的なコモンズの創造に向けて(『青淵』)

渋沢栄一財団の機関誌『青淵』2021年12月号(第873号)に、「ニュー・ローカルと21世紀的なコモンズの創造に向けて」と題する論考を寄稿しました。

本稿の問題意識は、ある種の「成長の限界」に世界が直面する中で、これからやってくる「定常社会」ないしは「縮小局面」のマネジメントとして、どのように戦略的なダウンサイズを行っていくのかという点にあります。

その上で、地方都市を中心とした<ニュー・ローカル>が備えておくべき機能としての「21世紀的なコモンズ」をどのようにして創造していくのかという点に触れました。


<最後の締めは以下の通りです。>

右肩上がりの成長を前提とできるならば、公的部門が政策的に解決するという手法を拡充できるかもしれない。
しかし、縮小局面では、税収面から考えても公的部門にできることの限界および制約を意識せざるを得ない。
だからといって、すべてを個人レベルで解決することも難しい。公的部門が公的部門でなければできないことに注力するためにも、公的領域と私的領域に挟まれた共的領域を、それぞれの地域ごとに21世紀的な「コモンズ」として再創造していく必要がある。
各地域で、いくつもの萌芽的な挑戦が行われている。

変化は、すでに地方から始まっているのである。