【コメント掲載】SNSも切り裂く米中対立 TikTok禁止検討 8億人利用…スパイ警戒(毎日新聞)

SNSも切り裂く米中対立 TikTok禁止検討 8億人利用…スパイ警戒(毎日新聞、2020年7月23日)にコメントが掲載されました。

「自由や連帯、理念貫けるか」清泉女子大 山本達也教授

インターネットの登場で、情報が簡単に国境を越えるようになったが、ネットを統制する中国では、グーグルやフェイスブッ クが使えないように「壁」が存在してき た。それだけなら「中国は大変だね」とい うことだが、近年は中国の技術レベルが上がって独自の検索システムを作り上げ、電子商取引でも国際的なインパクトを持つよ うになった。さらにティックトックのよう に世界中で使われる会員制交流サイト (SNS)を生み出したことで、インターネットを巡る情勢はあたかも米中二極体制で あるかのようになり、SNSの存在は国際政治と切り離せなくなった。

米中関係は国際政治上の最大リスクであり、政治体制や理念を巡る争いにも直結している。米ソ冷戦後は、⺠主主義国が生み出した富が大きかったため、⺠主主義モデルが受け入れられたが、今は中国のような権威主義的な国が多くの富を生み出しており、⺠主主義への信頼が揺ら いでいる。そうした中でも、インターネットに象徴される自由や連帯といった⺠主主義的な価値を守ることが大切だ。この理念を貫けるかどうかによって、世界の向かう先は変わっていくだろう。【聞き手・宮崎稔樹】